【看護学生】小児実習を乗り切るコツ4選!実習指導者の立場から解説

看護学生

はじめての小児看護学実習、不安だなぁ。

他の実習科目と比べて、対象が小児であることからも、小児実習に不安をおぼえる看護学生は少なくないはず。

今回は、小児看護師8年目、実習指導者としての経験がある私が、小児実習を乗り切るためのコツについて解説します。

指導者が目を光らせてチェックしているポイントも直伝しますので、小児看護学実習を控えている看護学生は、ぜひ最後までよんでみてください。

目次

小児看護学実習4つのコツ

  • 実習目的・目標を正しく理解する
  • 関わりを通してこどもの成長・発達を促す
  • こどもの味方になる
  • 家族看護の視点を忘れない

実習目的・目標を正しく理解する

どの実習においてもそうですが、まずは実習目的や目標を正しく理解しましょう。

小児看護学実習の場合、「疾病や障害を抱えるこどもに対し、小児の特徴を理解し、こどもとその家族が必要としている援助を実施することができる」というような目的が定められ、つぎのような目標が掲げられることでしょう。

小児看護学実習の目標
  • 疾病・障害をもつこどもやその家族との関わりを学ぶ
  • 疾病・障害、入院がこどもやその家族に及ぼす影響を理解する
  • 疾病・障害をかかえるこどもやその家族に対し、対象を理解し、必要な援助を実践できる
  • 小児を取り巻く医療や保健、福祉などの環境における小児看護の役割を理解する

なんとなく理解できるものの、少し複雑。

これを簡単にまとめると、次のようになります。

  1. 病気や障害をもったこどもと家族のことをよく知るためにコミュニケーションを図ろう
  2. コミュニケーションやカルテから得た情報を正しくアセスメントし、必要な援助を提供しよう

ここでポイントなのが、やはり対象が小児であるということ

コミュニケーションのとり方や援助の仕方が、成人の実習のときとは大きく異なることを理解しておきましょう。

関わりを通して成長・発達を促す

成長・発達を促す援助ができているかどうかも、小児実習の評価ポイントです。

指導者は、ここを一番みています

小児看護においては、単にこどもに必要な看護を提供するだけではいけません。

入院中でも成長や発達が妨げられないようにする必要がありますので、病状や状況を考慮することは前提として、日常生活援助の際には「自分でできることは自分でやってもらう」ことが重要です。

「入院中だから」といって学生や看護師がこどもの身の回りのことをなんでもやってあげるのは、こどものためになりません。

また、発達は年齢だけでは評価できないことも覚えておきましょう。

「7歳、学童期だから~」「13歳、思春期だから~」というのはもちろん一つの指標になりますが、こどもは一人ひとり発達のペースが異なります。

なかには、障害を抱えていて発達がゆっくりなこどもたちもいます。

個々に合ったペースで成長・発達を促進できるように援助することが重要であるため、まずはこどもの成長や発達を正しく理解することからはじめましょう。

  • 援助は、常にこどもの成長・発達を促すことを考えよう
  • 日常生活援助では、入院前に患児ができていたことについて情報収集を忘れずにおこなおう
  •  →どのような状態をめざして援助するかがわかりやすくなる!
  • 年齢や発達段階における発達の評価はあくまでも目安。個々に合わせた発達の評価を忘れずに

こどもの味方になる

とにかく、こどもの味方、そして理解者となることを心がけましょう。

こどもの年齢や発達にもよりますが、成人と比較すると、看護学生の存在や実習の必要性について理解できていないこどもたちが多いです。

特に、人見知りがあったり、医療行為に対して強い恐怖心を抱きやすい幼児期の患児の場合には、病院という環境において現れる家族以外の人に対し強く警戒していることも少なくはありません。

そのため、最初のうちは泣かれてしまっても仕方がないのですが、「患児に泣かれてしまった」という事実にショックを受け、患児のもとへいけなくなってしまう学生さんを何人もみたことがあります

こどもが泣いているのはあなたが悪いわけではないため、過度に心配せず、そして諦めずに、患児の好きなキャラクターや遊びを取り入れながら粘り強くコミュニケーションを図っていく姿勢を忘れないようにしましょう。

また、思春期の患児とのコミュニケーションに悩む学生さんもよく目にします。

「必要な情報がほしい」と焦る気持ちもよく理解できますが、患児が心をひらくまでには多少時間がかかることも覚悟しておきましょう。

どのような場合にせよ、諦めずに関わる姿勢は、こどもにも伝わるものです。

どんなに小さな患児であっても、一人の人として接する姿勢を忘れずに。

家族看護の視点を忘れない

小児実習においては、家族看護の視点をもつことができているかということも、指導者はチェックしています。

看護過程において、最低でも一つは家族看護に関する看護問題をあげましょう。

たまご

家族に関する看護問題をあげることができている学生さんをみると感心しちゃいます!

こどもは未成年ですので、入院や治療に対して家族の協力が必要不可欠です。

こどもの入院が、家族に対してどのような影響を及ぼすかをしっかり考えましょう。

保護者とコミュニケーションをとる機会を大切にしてほしいのですが、保護者が24時間付き添っていない場合は、もちろん患児と家族の時間を優先してください。

家族が抱えているよくある問題の例
  • 退院の見通しが立たず不安を抱えている
  • 治療方針に不安を抱えている
  • 患児ときょうだいへの時間の割り振りに悩んでいる
  • 仕事が忙しく面会に来ずらい
  • 付き添い生活、思うように休めないストレスにより疲労が貯まっている

学生に援助できることには限りがありますが、話を傾聴し看護師や医師に繋げたり保護者が休みやすい環境をつくったりするだけでも、立派な家族看護です。

小児実習を成功させるために準備しておいた方が良い事3選

看護学生

「小児実習を成功させるための事前準備はどんなものが必要?」

このような悩みを解決していきます。

  • 事前課題を終わらせておく
  • 名札でこどもの心をわしづかみ
  • 流行りのキャラクターやアニメについて調べておく

事前課題を終わらせておく

当たり前のことかもしれませんが、「事前課題を制する者は実習を制する」です。

バイタルサインの基準値正常な成長・発達については最低でも勉強しておきましょう。

バイタルサインの基準値は、年齢ごとにまとめ、いつでも見られるようにポケットノートに入れておくことをおすすめします。

また、疾患については、感染予防の観点から、感染症以外の疾患が対象となることが多いです。

外科系疾患(先天性心疾患、鎖肛などの外科疾患、尿道下裂などの泌尿器外科疾患、股関節脱臼などの整形外科疾患など)や、感染症以外の内科系疾患(川崎病、ネフローゼ症候群など)について勉強しておくことをおすすめします。

完全に理解することをめざさなくても大丈夫

実習開始後、調べたいことがすぐ調べられるように、本や資料を揃えておきましょう。

名札でこどもの心をわしづかみ

キャラクターグッズなどを利用して、オリジナルの可愛い名札を作っておくこともおすすめです。

学校によっては、事前課題となっていることもあるようですね。

こどもたちに良い印象を持ってもらうためにも、ここはひとつ頑張って手作りしておきましょう。

メルカリなどで販売されていることもあるようです。

どうしても時間がないときには活用してみてください。

流行りのキャラクターやアニメについて調べておく

流行っているキャラクターやアニメなどについて知っておきましょう。

こどもとコミュニケーションをとるうえで、こどもたちの興味をひくことは非常に大切です。

成長・発達を促すための遊びの援助にも使えるため、流行のものについての事前リサーチは必須。

小児実習は、成長・発達に合わせた援助と家族看護が重要!

今回は、小児科看護師そして実習指導者の立場から、小児看護学実習成功のためのコツを解説しました。

小児看護学実習で重要なのは、ズバリ「成長・発達に合わせた援助」「家族看護」この2点です。

このポイントをおさえることができれば、指導者や教員からの評価はまちがいないでしょう。

情報収集も、その2点に関わることから優先しておこないましょう。

これを読んだ学生の小児看護学実習が実りある良いものとなりますように。

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この記事を書いた人

フリーランスの看護師×webライター、たまごです♪
専門分野は小児科です。(フリーに転じる前はこども専門病院に6年間勤務していました)

看護師さんに向けた働き方や仕事術に関すること、そしてパパママさんに向けた小児疾患に関する発信を行っています。

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