近年、「フリーランス」という言葉を耳にする機会が増えましたね。
実は、看護師界でもフリーランスとして働けます。私自身、フリーランス看護師として勤務しています。

フリーランス看護師ってどんなふうに働くの?
今回は、フリーランス看護師について、そのメリット・デメリットや働き方、社会保険などの各種手続き、給料の例について徹底解説していきます。
フリーランスという働き方に少しでも興味のある看護師は、最後まで読んでみてください。
フリーランス看護師とは?


そもそもフリーランスとは、会社や団体に属さず、個人で仕事をしたり、仕事を請け負ったりする働き方のことをいいます。
ライターやWebデザイナー、カメラマン、美容師など多くの職種の人がフリーランスとして働いていますが、看護師もフリーランスとしての活躍が可能な職種なのです。
病院やクリニック、施設などに属さず個人で仕事を契約しますので、給料や勤務日は決められておらず、自由に仕事の予定を組めます。
フリーランス看護師は、病院やクリニックなどに属さず、個人で看護の仕事をおこなう看護師
フリーランス看護師の働き方
フリーランス看護師の働き方には、4つの特徴があります。
- 働きたいときにだけ働く
- 好きな場所で働く
- 好きな時間帯に働く
- 自宅で働く
順に解説します。
働きたいときにだけ働く
フリーランス看護師は、勤務日や休日を自分で決められますので、働きたいときにだけ働けばOKです。
「毎週月~金曜日まで働いて土日は休み」「週の前半2週間だけ働いて後半は休み」など、自分の予定に合わせて自由に働けるという特徴があります。
好きな場所で働く
フリーランス看護師は、好きな場所で働けます。
フリーランス看護師の主な勤務先は、次のとおりです。
病院、クリニック、老人施設、デイサービス、訪問看護、検診・健診センター、ツアーナース、イベントナース、保育園、学校、コロナ関連業務、看護師ライター、看護師Webデザイナー など
正社員として働く場合は、当然ながら雇われた病院や施設でしか勤務できません。
しかし、フリーランス看護師は、派遣(短期・長期)や単発で、病院や施設の「助っ人」として勤務に入るため、一つだけの職場に縛られずに、好きな場所で働けます。
看護師としての仕事だけではなく、お店でのアルバイトやパソコンでできる仕事など、他の仕事と組み合わせることも可能です。



私は、ライター8割、単発バイト看護師2割で働いています。
好きな時間帯に働く
フリーランス看護師は、働く時間帯も自由に設定できます。
日勤のみの仕事を受けるもよし、夜勤のみの仕事を受けるもよし、日勤・夜勤両方を受けるもよし。



私はうつ病の既往があるため、日勤のみのお仕事をさせてもらっています。
自宅で働く
看護師の経験を活かしてライターやWebデザイナーになったり、自分で事業を起こしたりという場合には、自宅でも働けます。
もちろん、カフェやコワーキングスペースでの勤務も可能です。
フリーランス看護師のメリット・デメリット


フリーランス看護師のメリット・デメリットについて解説します。
メリット
- 好きな場所で、好きな時間に働ける
- ワークライフバランスを保ちやすい
- 生活リズムが整いやすい
- Wワークできる
- スキルアップできる
- 頑張ったら頑張った分だけ報酬になる
フリーランス看護師の最大のメリットは、好きな場所で好きな時間に働けることです。
単発の仕事を多数組み込めば毎日違う職場へ出勤することも叶いますし、一度勤めた際に合わない人がいるなど嫌なことがあった場合には、その仕事を引き受けないようにすれば、その職場を避けることも可能です。
もちろん、シフトも自由。休みたい日は休めますし、日勤か夜勤かも自由に選択できますので、生活リズムが整いやすくなり、ワークライフバランスも保たれます。



友達とランチする日、旅行に行く日などは仕事を休みにできます。病棟自体は休み希望が通らないことも多々あったから、自由を感じています♪
また、Wワークができることも、フリーランス看護師のメリット。私も、ライターと看護師を両立しています。ライター8割、看護師2割が私にとってベストなバランスで、とても楽しく働けています。
フリーランス看護師Wワークの例
- 介護施設やクリニックで単発仕事×パン屋さんでアルバイト
- 午前中はデイサービスで仕事×午後は自宅でライター
- 月・水・金はクリニック、火・木は健診センターで仕事
さらに、多くの職場での勤務をとおして、さまざまな事例や技術を経験し、看護師としてのスキルアップも可能です。
そして、モチベーションに繋がるのが報酬。
正社員とはことなり、フリーランスでは働いたら働いた分だけ報酬がもらえますので、モチベーションが上がります。
デメリット
- キャリアアップができない
- 手当や保障、ボーナスがない
- 仕事を休めば収入が途絶えてしまう
- 自分で仕事を探さなければならない
フリーランス看護師には自由に働けるメリットがある反面、デメリットもあります。
ボーナスはもちろんのこと、働けなくなった時の休職制度や、産休・育休制度もありませんし、働けない場合は一切収入が手元に入らなくなります。収入の不安定さは、フリーランス看護師最大のデメリットであるといえるでしょう。
また、仕事は自分で探さなければならないのもフリーランスの宿命。
正社員として勤務すれば昇進や昇給などが見込めますが、フリーランスの場合キャリアアップは難しいでしょう。
フリーランス看護師に向いている人・向いていない人


フリーランス看護師の働き方やメリット・デメリットを踏まえ、向いている人と向いていない人の特徴をまとめました。
向いている人
- 自分で目標を持って努力を続けられる人
- コミュニケーション能力、社会常識がある人
- 3年以上の臨床経験がある人
- 行動力がある人
- プライベートを充実させたい人
- たくさんの場所で働いてみたい人
- 人間関係のストレスがたまりやすい人
- 生活リズムを整えたい人
フリーランス看護師は、働く場所や時間を自由に決められる反面、スケジュール管理や給料交渉などもすべて自分で行わなければなりません。
そのため、ある程度自分で目標を立てて計画的に行動できる人、努力を続けられる人、コミュニケーション能力や最低限の社会常識がある人は、フリーランス看護師に向いているといえます。
また、休みや働く時間帯を自由に決められることから、規則正しい生活を送りたい人やプライベートを充実させたい人にも、フリーランスという働き方はおすすめです。
さらに、人間関係のストレスがたまりやすい人にも、フリーランス看護師は向いています。



嫌な人がいたら、もうそこにはいかないようにすれば、ストレスフリーで働けます。うつ病・HSPの私でも、快適に働けています♪
たくさんの場所で働いてみたい人にも、フリーランスはおすすめ。



私の知人は、「転職したいけれどどんな分野に進みたいかわからない」といって、まずは派遣看護師としていろいろな職場で働いていたな。
フリーランス看護師には、看護技術やアセスメントなどにおいて一通り経験していることが求められるため、おおよそ3年程度の臨床経験があれば、心配ないでしょう。
向いていない人
- スケジュール管理が苦手な人
- キャリアアップしたい人
- 行動力がない人
- 1つの場所で長く働きたい人
- 新人看護師
看護師としての経験が浅い新人看護師や、スケジュール管理が苦手な人、行動力がない人は、残念ながらフリーランス看護師には向かないでしょう。
フリーランス看護師は、業務のスケジュール管理はもちろんのこと、働く場所も仕事内容も自分で決めなければなりません。ある程度の調整力や行動力が必要となります。
出勤する場所や時間、仕事内容が決まっている正社員と比較し、フリーランス看護師は自分自身で選択・決断しなければならないことが山ほどあります。
また、キャリアアップを目指す人も、フリーランス看護師には向きません。「管理職をめざしたい」「新人指導をしたい」などといったキャリアに関する目標がある場合は、正社員としての勤務をおすすめします。
フリーランス看護師になるための準備・手続き
ここからは、フリーランス看護師として働くために必要な準備や各種手続きについて説明します。
最低限、次の3つはやっておきましょう。
- 国民健康保険へ加入
- 国民年金へ加入
- 開業届を提出
健康保険を国民健康保険へ切り替えるor前職の保険を任意継続する
フリーランス看護師として働く場合、国民健康保険へ加入する必要があります。
これまで正社員として勤務していた場合は「被用者保険」に加入していたはずですが、前職を退職したら、国民健康保険に加入するか、あるいは、前職の保険を任意継続するかを選択しましょう。
前職の保険を任意継続できるかどうかはその病院や施設によりますので、退職前に確認しておくことをおすすめします。



私は、任意継続より国民健康保険のほうが月々の保険料が安かったので、国民保険に加入しました。
国民健康保険への加入か任意継続かを迷った場合には、保険料を比較し安い方を選ぶことをおすすめします。
国民健康保険への加入は、居住地のある市区町村役場で可能です。
任意継続に関しては、前職の事務などで手続きをおこないます。
年金を国民年金へ切り替える
フリーランス看護師になる場合、国民年金に加入しなければなりません。
正社員では「厚生年金(共済年金)」に加入していますが、自ら役所に出向いて年金の変更手続きを行う必要がありますので、覚えておきましょう。
開業届を出す(できれば)
フリーランス看護師として新たなスタートを切る人は、可能であれば開業届を提出しておきましょう。



開業届は、フリーランス看護師になってから1ヵ月以内に提出しましょう。
開業届の提出は義務ではないのですが、提出していた場合確定申告の際に「青色申告」を適用することができ、控除額が増えるのでおすすめです。
開業届は、居住地を管轄する税務署に提出しますが、インターネットからも可能です。



私はこのサイトを使って、5分くらいで完了しました!
フリーランス看護師の給料


フリーランス看護師の給料が気になる人も多いことでしょう。
フリーランス看護師は働く時間を自由に決められるため、週に2日のみの出勤の人と週に5日出勤する人では、給料には大分差が出ます。
そこで、いくつかのパターンに分けて、給料の目安をみてみましょう。
週に5日、日勤勤務の場合
週に5日、日勤のみで勤務した場合の給料相場は、時給を1,600円~2,000円とした場合、224,000円~280,000円程度です。
年収に換算すると2,688,000円~3,360,000円となります。
厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、正社員看護師の平均年収は4,986,000円ですので、フリーランスで週5日・日勤のみで勤務した場合の給料は100万円程度下回る結果となっています。
これには、夜勤手当やボーナスがないことが影響しています。
週に4日、夜勤専門で勤務した場合
フリーランス看護師として週に4日、夜勤専門で勤務した場合の給料は、480,000円~576,000円程度です。
単発夜勤の場合は1回あたりの報酬が30,000円~35,000円程度であることが多いため、正社員看護師よりも稼げる計算となります。
年収に換算すると、5,760,000円~6,912,000円。夢がありますね。
ライター×看護師の場合(たまご)
私は、現在週に4日はライターとして、週に1日のみ看護師として勤務しています。
ライターの収入は、経験や仕事の内容によって異なりますが、平均した額で計算していきます。
ずばり、月収はライター150,000円、看護師56,000円で、トータル200,000円程度です。



体調や予定によって働き方を換えているため、月収が10万円のときもあれば30万円の時もあります(笑)
フリーランス看護師の給料は、働く日数や仕事内容によって大きく異なることがおわかりいただけたでしょうか。



働き方によっては正社員時代より稼げちゃう!夢がありますね。
フリーランス看護師の求人の探し方
最後に、フリーランス看護師の仕事の探し方を解説します。
ずばり、派遣看護師求人サイトから探しましょう。これしかありません。
派遣看護師求人を扱っているおすすめのサイトを2つご紹介します。
看護のお仕事派遣


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私も、看護のお仕事派遣を利用しています。
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フリーランス看護師は、自由が手に入る素敵な働き方!


今回は、私自身の経験も踏まえ、フリーランス看護師について解説しました。
- フリーランス看護師は、働く場所や時間、シフトが完全自由!
- 保障やボーナスはないが、働き方によっては正社員看護師の給料を上回ることも可能!
- 自分の頑張りがそのまま報酬に反映される
- 人間関係のストレスが少ない
フリーランス看護師には、デメリットもありますが、それを上回るほどのメリットや魅力がたくさんあります。
フリーランス看護師に興味がある人は、まず求人サイトに登録することからはじめてみましょう。
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