保育園看護師の仕事内容は?向いている人・向いていない人など

看護師

「保育園看護師に興味があるけれど、どんな仕事をするのかな?」
「保育園看護師は、看護師経験がなくてもめざせる?」

今回の記事では、このようなお悩みを解決していきます。

保育園看護師に興味がある人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

目次

保育園看護師の仕事内容

保育園看護師の主な仕事内容は、次の6つです。

  • 保育補助
  • ケガや病気への対応
  • アレルギーへの対応
  • 保健指導
  • 衛生管理
  • 健康診断や歯科検診の計画、実施、評価

保育補助

健康診断や園児のケガ・病気など、何か特別なことがない限りは、保育補助をおこないます。

特に0~1歳児の保育補助をおこなうことが多いです。

ときには、担任をもつこともありますし、空いた時間で保育士のお手伝いをすることも。

たまご

0歳児にミルクをあげたりオムツを換えたりしました。
もちろん、お兄さん・お姉さんからも「遊ぼ~」と話しかけられますよ。

ケガや病気への対応

園児や職員のケガ、そして病気などへの対応も保育園看護師の重要な仕事です。

園内でのケガや病気の場合は、適切に応急手当をおこなう必要があります

場合によっては、救急搬送の手配が必要となることも。

ほとんどの場合、保育園には看護師が1名しか配置されていませんので、スピーディーかつ冷静な判断が求められる現場であることを覚えておきましょう。

そして、ケガや病気に気付いてからの対応や園児の様子について保護者へ情報提供し、保護者が自宅でケアを続けられるように支援します。

アレルギーへの対応

アレルギーのある園児への対応も、保育園看護師の重要な業務です。

もともとアレルギーがある園児に関しては、摂取してはいけない食材について正しく把握し、給食内に入っていないかを確認します。

しかし、こどものなかには、今まで食べて大丈夫であった食材であっても、そのときの体調やコンディションによってアレルギーを発症してしまうこどももいますので、食事中・食後の様子は念入りに観察しましょう。

そして、万が一アレルギーを発症してしまった場合には、看護師はもちろんのこと保育士など他のスタッフであっても適切に対応できるように、指導をおこない体制を整えておくことが重要です。

保健指導

園児はもちろんのこと、保護者やスタッフへも保健指導をおこないます。

園児への保健指導内容
  • 手洗い・うがい指導
  • 歯みがき指導

手洗い・うがいに関しては、コロナの影響で以前よりは普及していますが、園児が正しく手洗い・うがいができるようにという視点は忘れてはいけません。

「泡さんをたくさんつくって」「お父さん指もしっかり洗ってね」「泡さんがいなくなるまでお水で洗ってね」など、それぞれの園児が理解できる方法で指導し、正しい手洗い・うがいを身に着けてもらいます。

また、歯みがきを嫌いにならないための保健指導も重要です。

紙芝居や絵本を使うなど、こどもたちの興味や集中が途切れないように指導することがポイントですね。

保護者への保健指導内容
  • 感染症に関する指導
  • 予防接種に関する情報提供

保護者へは、季節ごとに流行しやすい感染症に関する情報提供や、園内での感染症発生状況についてなど、主に感染症対策について指導します。

必要に応じて、予防接種に関する情報提供もおこないます。

特に重要なのは、感染症対策について。

流行性の疾患においてどのような症状が出るのかも伝えておけば、保護者は園児が体調不良となった際に早めに園を休ませる決断ができ、園内での感染拡大に歯止めをかけられます

また、体調不良時のホームケアや吐物・便の片付け方法、飛沫感染対策についても指導することで、保護者やきょうだいへの感染を予防することもできます。

たまご

とはいえ、保護者と関われる時間はとっても短いもの。

保健だよりの作成がおすすめ。保護者にも喜ばれますよ。

職員への保健指導内容
  • 感染症対策について
  • アレルギーへの対応について

職員へも、感染症に関する指導は欠かせません。

また、先述したようにアレルギー発生時の対応についても、繰り返し指導することでスタッフの頭に入れてもらうことが重要です。

時間があれば、シミュレーション教育もおすすめです。

衛生・安全管理

園内の衛生管理も、保育園看護師の重要な役割の一つ。

教室や廊下、水道やトイレなど園児が使用する場所や触る部分の衛生状態や安全状態を確認し、園児が安全に過ごせるよう支援する必要があります。

衛生管理に関しては、必要に応じて業者に依頼するなどのアクションが必要となることもあります。

また、こどもの場合、「昨日までできなかったことが今日突然できるようになった」ということも日常茶飯事ですので、身の回りに危険なものがないかは常にアンテナを張って観察することが重要です。

健康診断・歯科検診の計画、実施、評価

健康診断や歯科検診の計画から実施・運営、評価までを任されることが多いです。

保育園によっては、園長などが手配し、看護師は当日と事後のサポートのみを担当することもあるようです。

健康診断や歯科検診のための会場設営や器具の準備、医師との連絡、医師の介助をおこない、実施後には園児一人ひとりについての結果と、園全体としての結果を分析したうえで、必要な保健指導をおこなったり、保護者へ結果の伝達をおこなったりします。

遠足の引率

保育園看護師は、遠足など園外保育への引率もおこないます。

不慮の事故やケガ、病気に備えて当日は救急バッグを持参し、事前に行先近くの医療機関に関する情報収集もおこなっておきます。

保育園看護師の給料

保育園看護師の年収の相場は、300万円~400万円と、病院看護師の平均年収が498.1万円であるのと比較すると低いです。

仮に300万円だとすると月収換算では25万円となりますが、手取り額では20万円程度でしょう。

夜勤がないこと残業が少ないこと土日休みであることが、給料の低さに繋がっていると考えられます。

保育園看護師のメリット・デメリット

続いて、保育園看護師のメリット・デメリットを解説します。

保育園看護師のメリット

・夜勤がない
・土日休みの保育園が多い
・残業がほとんどない
・医療行為がほとんどない
・自分のペースで業務ができる

保育園看護師は夜勤がなく、残業もほとんどありません。

また、土日休みであることが多いため、ワークライフバランスを保ちやすいのが最大のメリットです。

また、看護師は園に1人配置であることがほとんどなので、保育士との連携は避けられないものの、ある程度自分の要領ややり方で業務をすすめることができ、精神的なストレスは少ないでしょう。

さらに、採血や点滴などの医療行為はおこなわないため、医療行為に自信のない看護師でも働きやすい環境であるといえます。

保育園でおこなう処置は応急処置であることが多いため、すり傷や打撲への処置、発熱や咳・下痢や嘔吐への処置、アレルギーへの処置、心肺蘇生法ができれば、まず問題ないといえます。

心肺蘇生法が必要となる事象はほぼ起こりませんが、食べ物やおもちゃによる窒息や、体調不良からの急変が起こる可能性がないとは言い切れません

その場合にも、まずは心肺蘇生をおこない、救急搬送要請ができれば大丈夫です。

保育園看護師のデメリット

・給料が低め
・スキルアップしにくい
・キャリアアップしにくい

先述したように、保育園看護師の給料は残念ながら低めです。

また、医療行為をする機会がほぼないため、看護師としてのスキルアップはしづらいでしょう。

保育園勤務を経ていずれは病院看護師に戻りたいと考えている場合は、ブランクや経験のなさから後々辛い思いをすることになりかねません。

また、キャリアアップが難しいことも、保育園看護師のデメリット。

病院などで勤務していれば経験年数を重ねればリーダーや主任、師長などとキャリアアップが可能であることが多いですが、保育園では看護師からの昇給は難しいため、長年勤めたとしても昇給が難しい場合があります。

保育園看護師に向いている人・向いていない人

これまでに開設した保育園看護師の仕事内容やメリット・デメリットを踏まえ、保育園看護師に向いている人と向いていない人の特徴を解説します。

たまご

向いていない項目に該当したからといって、保育園看護師になれないわけではないので安心してください。

保育園看護師に向いている人の特徴

  • こどもが好きな人
  • 看護師としての経験が2年以上ある人
  • 生活リズムを整えたい人
  • 家庭と仕事を両立させたい人
  • 保健指導について学びたい人

こどもが好きであるのは大前提として、看護師としての経験が2年以上ある人は保育園看護師に向いています。

保育園では看護師の配置が1人であることがほとんどですので、ある程度の観察力やアセスメント力、判断力が求められるからです。

また、生活リズムを整え規則正しい生活をしたいや、家庭と仕事を両立させたい人も、保育園看護師に向いています。

保育園看護師に向いていない人の特徴

  • 新人看護師
  • こどもが好きではない人
  • 看護技術やスキルを身に着けたい人
  • 指示やマニュアルがないと動けない人
  • バリバリ稼ぎたい人

当然ながら、こどもが好きではない人やこどもとの接し方がわからないという人には、保育園看護師はおすすめできません

また、保育園看護師には自主性や主体性が求められるため、人からの指示がないと動きにくいという人やマニュアルがないと動けない人新人看護師には適さないでしょう。

マニュアルに関しては、厚生労働省のマニュアルや園独自のものが用意されてはいますが、いざというときにはマニュアルを見ている時間はありません。

臨機応変な対応が求められることを理解しておきましょう。

新人看護師で保育園看護師をめざしたいという人もいるかもしれませんが、新人看護師の場合医療行為やアセスメントの経験がないため、保育園において看護師1名体制で働くのは難易度が高いです。

いずれ保育園看護師になりたいという思いがあるのならば、大きな病院で最低でも2年は経験を積むことをおすすめします。

可能であれば、小児科が理想的です。

そして、バリバリ稼ぎたい!人にも、保育園看護師は向かないです。

残業代や夜勤手当が発生しにくいため、+αの報酬は期待できません。

「保育園看護師に向かない人の特徴」に当てはまったけれど保育園看護師になりたい場合には、何を克服すれば保育園看護師として活躍できるかを考え、行動に移しましょう。

保育園看護師の求人の探し方

看護師

保育園看護師の求人が少ない!

という声が今にも聞こえてきそうです。

事実、保育園看護師の求人は多いとはいえません

自分で求人情報を探すのは困難ですので、看護師転職サイトや求人サイトへの登録をおすすめします。

今すぐに保育園看護師の求人がなかったとしても、求人情報が出た際にサイトの担当者からタイムリーに連絡してもらえるからです。

保育園看護師はこどもの安全を守る責任重大な仕事!

今回は、保育園看護師の仕事内容や給料、メリット・デメリット、向いている人の特徴などについて解説しました。

保育園看護師は、こどもの安全を守る責任重大な仕事ですので、ときには大変なこともあります。

そして、常に自己学習を継続しなければならないのも事実です。

しかし、大変な分、こどもたちの笑顔に癒されることができる素敵な仕事です。

保育園看護師に興味がある人は、看護師専用転職サイトや求人サイトに登録し、情報収集からはじめてみましょう。

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この記事を書いた人

フリーランスの看護師×webライター、たまごです♪
専門分野は小児科です。(フリーに転じる前はこども専門病院に6年間勤務していました)

看護師さんに向けた働き方や仕事術に関すること、そしてパパママさんに向けた小児疾患に関する発信を行っています。

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